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『ロミオとロミオは永遠に』恩田陸

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日本人だけが地球に残り、化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来で、エリートへの道は唯一、「大東京学園」の卒業総代になる事。過酷な入学試験を突破した主人公を待っていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。

読み始めは、なんだか意味が分からなくてなかなか進まなかったのですが、上巻の後半くらいからは、先が気になって一気に読んでしまいました。
舞台は、日本人以外は新地球に移住し、日本人がその後処理をしているという近未来です。
「大東京学園」は、東京そのもの学校になっていて、クラスも23区の名前がついており、寮への移動も山手線を使ったりします。サブカルチャーは禁止されており、生きて行くために必要な事だけを学ぶ。そんな生活に疑問を抱き、脱走計画を立てる、というのが大筋です。

人によって好き嫌いが分かれるみたいですが、私は結構好きです。
恩田陸は、私はあんまり当たり外れはないかなぁ。

でも、ラストはちょっと納得いかない。それまでは、今の生活のせいで未来がこうなった、という感じだったので、まだ想像できたのですが、ラストは「これは起こらないだろう」て感じだったので…。

話の中で、今存在している場所や、昔の映画のパロディみたいなものがたくさん出て来ていたのですが、ほとんど知らないものばかりだったので、読んでいても気付きませんでした。
でも、巻末に「20世紀サブカルチャー用語大辞典」なるものがあり、一つ一つ解説されていたので、それも楽しかったです。

あ、でも、すごくグロいというわけではないのですが、地雷で手足が吹っ飛んだり、人が死んだりするので、そういうのが苦手な方はダメかも。

by lovejunjun | 2007-01-06 03:13 | 感。